溶存成分

カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩

硬度の一語でまとめず、陽イオンとアルカリ度が抽出、麺、pHへ及ぼす影響を分けて学びます。 規格、工程中の変化、仕込みの管理、測定方法、一度に一つの条件だけを変える比較、公式情報を確認できる例の順に学びます。

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カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩

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硬度の一語でまとめず、陽イオンとアルカリ度が抽出、麺、pHへ及ぼす影響を分けて学びます。

規格・状態を特定する

  • 総硬度とCa・Mgの内訳
  • アルカリ度または炭酸水素塩
  • 測定単位と換算式
  • 自治体・仕入先資料の更新日

工程で起きる変化

  • 同じ硬度でもCa/Mg比やアルカリ度が異なる
  • 沸騰濃縮や沈殿で仕込み中に値が動く
  • 麺ではかん水と、だしではたんぱく質やペクチンと相互作用する

仕込み・提供で管理する

  • 水だけを変える基準仕込みを設ける
  • 補正塩類は高精度のはかりで別溶解する
  • 蒸発分の補水は同じ仕様の水で行う

測る・記録する

  • 原水・補水・完成時の硬度、Ca、Mg、アルカリ度、pH、電気伝導率
  • 蒸発量と補水量
  • 抽出液の濁度、歩留まり、官能評価

条件を決めるための試し方

ここに示す数値は、どの場面にも当てはまる正解ではありません。記載した範囲で違いを比べ始めるための条件です。食品安全に関わる条件は、本教材の数値よりも、法令、施設の衛生管理計画、メーカー表示を優先してください。

教材上の比較仮説

Ca・Mg・アルカリ度を一要因ずつ動かす

適用範囲
飲用可能な水を基準に、試飲・調理には食品用途が確認された材料だけを使う小規模比較です。分析用試薬を用いる場合は測定専用とし、試飲・調理には用いません。
前処理・試料準備
飲用可能な食品用途のRO水を共通ベースにし、各試料を1,000.0 g作ります。食品用途が確認された塩類だけを用い、塩類の名称、純度、対イオン、添加質量を記録します。計算は有資格者または供給者の仕様で確認し、調整後の水を分析してから調理に使います。
試す条件と手順
Ca系列は20 mg/L・40 mg/L・80 mg/Lとし、Mgとアルカリ度を固定します。Mg系列は5 mg/L・10 mg/L・20 mg/Lとし、Caとアルカリ度を固定します。アルカリ度系列はCaCO3換算で25 mg/L・50 mg/L・100 mg/Lとし、CaとMgを固定します。目的成分を下げる操作は既成水の希釈ではなく、共通ベースから各水準を別々に再調整します。
水分・質量・補水
開始水量と完成液量をそろえ、蒸発分は各試料と同じ仕様の水で補います。途中で採取した液量も質量収支へ含め、補正前後を別試料として記録します。
終了操作・評価項目
原水・完成液の硬度、pH、電気伝導率、濁り、歩留まりと、渋味・香り・麺の表面状態を用途別に記録します。
解釈上の注意
硬度だけから抽出や製麺の優劣を決めず、Ca/Mg比、アルカリ度、素材、かん水との相互作用を分けます。 この「カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩」のプロトコルに記した数値は、素材固有の根拠資料から導いた最適値ではなく、編集上の開始条件です。一度に変える要因を絞り、段階差を識別できる幅から比較を始めることを理由に設定しています。測定結果と施設条件に応じて更新し、銘柄の推奨値として扱いません。

素材・商品を、一つの違いだけで比べる例

直前の「条件を決めるための試し方」とは別に行う比較です。ここに示す固定条件と変更条件を、直前の試し方へ同時に加えないでください。

この比較例で固定する
原料ロット、粒度、液量、加熱履歴
この比較例で一つだけ変える
Ca・Mg・アルカリ度のうち一つ
観察する
抽出、渋味、濁り、麺の表面と芯
判断する
用途ごとの許容範囲を作り、総硬度だけで一般化しない

根拠資料と適用限界

資料が支える範囲と、資料だけでは決められない範囲を分けて読みます。

行政・標準個別主張を直接支える

「おいしさに関する水質目標」の発行主体による公式情報 (新しいタブで開く)

確認できること
カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩の掲載例「おいしさに関する水質目標」について、「表示・仕様」と「公式ページでの説明」に記載した内容の出所です。メーカーや制度主体による説明は、第三者評価ではなく発行主体の説明として区別して読みます。
この資料だけでは決められないこと
直接支えるのは、当該ページで確認できる商品・制度固有の表示、仕様、発行主体の説明だけです。本教材の配合・温度・時間などのプロトコル数値、素材群全体の代表性、ラーメンでの優位性、銘柄の推奨は支えません。ラーメン用途も、公式ページに明記した範囲を超えて推定しません。
行政・標準判断の背景となる資料

ISO 4120:2021 Sensory analysis — Triangle test (新しいタブで開く)

確認できること
三点識別法を追加で行う場合に限り、試料の提示順、回答、統計的な解釈を設計するための比較手法を確認できます。
この資料だけでは決められないこと
対象範囲は比較手法だけです。素材の表示・成分・味、銘柄の優劣、本教材の配合・温度・時間などのプロトコル数値は支えません。識別できる差が、好ましさや営業上の価値を意味するわけでもありません。

公式情報を確認できる比較例

ランキングや推奨品の一覧ではありません。公式情報を確認し、比較の観点を学ぶための例です。

東京都水道局

おいしさに関する水質目標

公的・公式資料
区分
硬度・残留塩素・pHなどを読む公的資料
表示・仕様
公式ページで硬度10〜100 mg/L、残留塩素、pHなどの水質目標を確認できます。
公式ページでの説明
東京都水道局が水道水の『おいしさ』を管理するために示した目標です。
教材での検証方法
この範囲をラーメンの最適硬度と読み替えず、Ca・Mg・アルカリ度を可能な範囲で個別に測ります。